◯△□まるさんかくしかく




会社にゆけば、二〇一五年文月のはじまりは、訃報やった。人間の命は、儚い。夢を、束の間の夢をみているガの如くや。花弁が散るよりモはやく、虫ノ声よりハみぢかく、机に置いた写真は、趣味の悪すぎる冗談で、考えてそのトキのことを考えてもしゃあないってわかっテても、貝殻の渦に巻かれたママ、当分のアイダ身動きできナイ。新しいアサとおでこをくっつける度、記憶は花弁の如く堕ちてゆく。水溜りにアシが沈みこんでイキツギのために泥水を蹴れば、記憶はチャント甦える。十五夜は、コンクリートの雲で覆われてしまってん。もうみえへんかもしれん。それでも、十五夜十五夜や。


べつに死なんでもええやんか。ほんまに冗談きつすぎるで。ええかげんにしいや。洒落ならんわ。一生に一度の勝手っちゅうやつなんか。あんたらずるいわ。最後の最後まであんたらほんまにずるいわ。