春の夕暮れグリコ味

miwakiti2010-03-13

 

大学を卒業して働きはじめた最初の年はわたしにとって激動の年やった。渋々就職活動した割りにはなっかなか決まらんかってやっとこ就職先が決まったときは、涙が出るほど嬉しゆうて、助かったわ…と胸を撫で下ろしたんや。そのくせ、職場の環境に段々ついていけなくなると、最初の気持ちなんて綺麗さっぱり忘れてまい、一秒でもはやくここから逃げだしたいと毎日、心を暗くした。
苦しい毎日の中で唯一癒しの日となってええはずの日曜日の集会(礼拝)も、その頃は、ちっとも癒しではなく、かえってわたしの反逆性を目覚めさせてしもた。ある日の日曜日、わたしはとうとう集会を確信犯的にボイコットし、やけくその気持ちでそこから歩けるくらいに近い競技場の中に逃避した。奇しくも、その日そこでは車椅子マラソンの大きな大会が開かれてた。そのとき、何も知らんでそこにおったわたしは、はじめて目にする光景に驚くやら、感激するやら。
パラリンピックを見るたびに思いだす。そのときのことを。
オリンピック、パラリンピックに肉体の限界に挑むひとたちは、身体ととことん会話するひと。がんばる必要はないけど、わたしはもっともっと身体と会話してもええのかも。と、クリぼーみたいな頭になり、クリぼーみたいな顔をして、二十年近くときをふみしだいてきたわたしは春を感じて思うのでした。