本とパンの日々

miwakiti2009-09-18

 
 
世界ふれあい街歩きhttp://www.nhk.or.jp/sekaimachi/見てると、本当にダートムアの街を歩き、道で会うひとと喋ってるみたいに思えてきて、わたしはまじめに画面に向かって笑いかけてた。村上春樹の『遠い太鼓』を読んでても同じで、こないだまでギリシャに住んでて、今日はイタリアの灰色の街シシリーから命からがら逃げてきた…ような気にすっかりなってた。20年ぶりに読み終えた『優しさごっこ』とおんなじで、『遠い太鼓』も何回も読み始めて何回もほうり投げた。今日やっと、最後に読みかけてずっとはさんでおいたままやった栞のとこを跳び超えた。栞がそこにあるから、確かにそこまでは何とか読んでいたはずやのに、そこまでも全部初めて歩く道に見えた。その栞はテキトーにえいっと置いただけやったんかもしれんてくらい、今までずっと頭にも心にもなんも届いてへんかったんやなぁ。
とゆうより、いまこんなにも『遠い太鼓』が、ずかずかとわたしの中に入ってくることのが笑けてくる。いまはなによりも、集中してるときに、電車が駅に滑り込むんが、わたしに苦痛をもたらす。
そのくせ、合間にちゃっかりと『アブラクサスの祭』を読んだりした。40歳にまつわる本が偶然にも続いて、また笑ける。世間がハルキのことをいろいろゆうのとか、わたしが勝手に嫌ぁなイメージをハルキに抱き続けてたのに、今はころっと手の平を返して、気心がしれた旅の友人とばかりに、わたしの方からハルキに向かって走り寄ってるのや。宗久さんやらもさんには、恐れおおくて走り寄ることはできひんけど、心は引き寄せられる。反発するように。
新潮文庫は文庫なのに紐の栞がついてるのがゴージャスやって、ゆってるひとがおった。
 
 
アブラクサスの祭 (新潮文庫)

アブラクサスの祭 (新潮文庫)