大阪のテハンノは十三にある

miwakiti2008-09-21












大阪・十三ライブバー「テハンノ」 http://unimix.jp/live/

テハンノとは、漢字で「大学路」と書きます。
韓国にアーティストたちが集まる大学路(韓国語でテハンノ)と呼ばれる町があります。
これからはアジアの時代です。国境を越えた音楽の世界を提言していくスペース。
それがテハンノの目指していく方向性でありコンセプトです。



(十三ライブバー「テハンノ」homepageより)

シンラコウ(台風13号)が大阪に直撃するはずだった金曜日(19日)の夜。
なぜかしら予定の時間には暴風も雨もちっとも大阪にはやってこず。
きつねにつままれたかんじで、
大阪が誇る繁華街・十三へゆきました。
十三は、いろんな意味で想い出のある街なんです。
写真からいろんな影響を受け始めた二十代のまんなかすぎ。
淀川沿いの或るフォトスタジオに半年くらい通ってたことがあったの。
(前にもどっかに書いたような気がする)
そのころからいまも十三はピンク色の街。
わたしは好きです。大好きです。好きなライブハウスや映画館もあるのです。


テハンノにゆくのは、はじめてだったけど、
ファンダンゴの近所と思ってたので余裕をかましてて
余裕で迷子になりました。
モータープールのおにいさんにたずねたら、
和民の看板からすぐそこやと教えてくれました。
スナックやバーがたくさん入ってるビルの五階にあがると
タンバリンを鳴らしているような音がしてきて
もうはじまっちゃったのかな。。。と焦ったけど、
入り口で店長の純平さんが椅子に腰掛けながら
やさしい顔で気持ちよさそうに打っていただけなのでした。
「打っていただけなのでした」って、素っ気ない言い種だけど、
純平さんのあのおだやかな表情はいまでも覚えてますよ。
焼き付いてます。


この夜は、4人の唄うたいさんたちが出演。
テハンノはライブバーで。
てゆうか、バーで。
入ったらいきなりバーで。
あたりいちめんゆるーい空気が流れておりました。
あやこさん、ドコ? と探すと普通におともだちと喋っておりました。
わたしも普通に料金どこで払うん? とか聞いてました。
あそこ。あそこ。てかんじで料金はらって
名前に惹かれてロンサムティーをオーダーして席に戻り、
しばらくあやこさんとおしゃべりしてました。
あまりにも普通におしゃべりに夢中になってて、
つい忘れてたんやけど「ライブいつはじまるのん?」
ゆるー。
バーやからね。いつもこんな感じみたいです。


なんか順番もそのときに決めたみたい。
19時スタートゆうてたけど、
やっぱ30分始まりにしようてそのとき決めたみたい。


ライブ中、あまりにもみんなが集中してみるものだから、
やりにくいわ〜と客がダメダシされたり。
客だからって受け身ばかりになる必要ないしね。
むしろないよ。そう思います。いつも。


そこにあらわれた救世主
てか、最初からそこにいたNONOるさん(客)
は、すばらしいオーディエンスでした。
わたしもNONOるさんのようになりたいとおもいます。
本気です。ほんとうです。そう簡単にはなれないけど。


とにかくテハンノの夜はとても楽しいものでした。
一番手のミナミアヤコさんはじめ、みんなギター1本ひとりぼっち。
あやこさんが、カバーでうたったキタニヤスタカさんの「恋心」に、
次のタカダスマイルさんがAnswer songとして
僕は「恋がしたい」を歌いますと拾ってから、
次の前原淳平さんも、じゃあ僕もと
次の本磯卓也 さんも、じゃあと
ずっと恋のアンサーソングが続いてゆきました。
ギター1本で紡くのに、恋歌ほど似合うもんはない。


恋歌は、
恋心もひとつとして同じのがないように
そのひととなりが出てほしいもの。
紅一点あやこさんの歌は、意外と力強かったりした。
男性陣は、私小説的な匂いと一対一な感じ。
愛するひとへのラブレターみたいな。
あやこさんの歌は、
ネットラジオ(ステカムTV)やマイスペで聴いてたりもしてたけど、
生でステージで見るのは、はじめて。
日記とかも喋る声とかも可愛らしいなぁてずっと思ってたのですが、
あやちゃん、頼もしい。ほんとうは頼もしい。
て、最近思うようになりました(笑い)
マイスペ以外の試聴サイトにものっている「青空と風」は、
ゲーム音楽に使ってもらってたりもしてます、と紹介
サビのメロディ部分から静かにはいって、
軽快なリズムに転換するとこがおおっと思った。
ネットラジオで聴いたときいいなーておもっていた「イチリンノ華」が
ラストで、やっぱりすごいかっこよかった。
力強いんだけど、儚げであったりして、
あやちゃんの声のいいところが集まってる感じがしてすてき。
今回のライブにあわせて作ってきたという3枚目のCDプレゼント
していただいちゃいました。
帰ってきてから聴いてたんだけど、歌詞も合わせ見て、せつなさ倍増!
ほんとうにありがとう☆



つづく、タカダスマイルさんは、
京都からはるばる大阪にきてくださる歌い手さん。
いつもひとりギター弾き語りです。
大阪で演らはる頻度はすごく高いのに、
また見にいくのがあいてしまいました。
あやこさんと同じ日に同じ場所でみられるって知ったときは
びっくりで嬉しかったです。
テハンノに出はるのはこれが初めてだったそうで、
11月にもさっそく出演が決まったそうです!
大阪のライブハウスで大人気のタカダスマイルさん。
この日は最近できたばかりの「僕の友達が結婚するのさ」も
歌ってくれました。
友人へのかぎりない祝福のこころが溢れてると同時に
愛する女(ひと)への想いも忍ばせてるんじゃないかしら?て
勘ぐってしまいました☆


前原淳平さんとあやこさんは、
大学のサークル時代からのお知り合いということ。
淳平さん、いまではあの女学生に囲まれていた日々がなつかしい
大変惜しいことをしたと洩らしておりました。あはは。
一見、静かな感じの淳平さんですが、歌い出すと人が変わる。
ギターも歌い方も、強弱のつけかたが絶妙でひきこまれる。
またライブで、ひきこまれにいきたいと思いました。
(次回は雲州堂。ごはん美味しいライブレストランだそう!)
懐かしい日本のフォークソングのような要素を持ってるんだけど
今、まわりまわって新鮮という感じ。
みずみずしいって思いました。


本磯卓也さんの声は、不思議な構造をしてる。
ときどきハスキーな声音が混じるんです。
そこんところに、色気があって好きです。
3人さんは座りでしたが、本磯さんはずっと立ちギターで。
さきごろ、韓国旅行に行ってきはったそうで、喋りにマスター
てゆうか、店長の純平さんが絡んでくるのが面白かった。
焼き肉、焼き肉、肉、肉、肉ーーー!って。
喋りに噛み付くだけでは物足りなくなったのでしょう、店長の純平さん。
ついに本磯さんのライブに乱入。笑い
狂ったように叩く叩くは、パンデイロ*1
いろんな意味ですんごい原始的なものを見せてもらった感じがして
めちゃめちゃ楽しかった(面白かった)です!
本磯さん、すごい落ち着いてはると思ってたが全然若かった(自分比)


そんなこんなで、ここで普通ならバーやし、
飲んだりしゃべったりで終わるとこですが
テハンノはちがった☆
お客さんできてはった中尾さんのパーカッション講座が
知らぬ間にはじまり(笑い)
やぶれかけのボンゴをNONOるさんとふたりで叩きました。
他にもジャンベとか、さきほどのパンデイロとか、
タンバリンみたいなでっかいのとか、いろんな打楽器がいっぱい!
はじめはみんな同じリズムで適当にやってたけど、
それじゃ面白くないからって、
中尾さんがそれぞれのパートをつくってくれました。
わたしは、一回ずつ叩くだけで楽だったけど、
NONOるさんはたくさん叩かなきゃならなくて疲れきってはった(笑い)
中尾さんは途中でカホン叩き出したり、先生が一番楽しそうでした(笑い)
講座がひとしきり終わったあと、
店長がまたおもしろい楽器を持ち出してきて。
「きれいな心ひとしか鳴らせない。」とか言い出して。
心の汚いわたしたちは、こぞって鳴らそうと必死になりました(笑い)
シンギング・ボールというチベットの修行僧が瞑想のときに使う楽器だそう。
大音量を浴びたライブの帰り道になる耳鳴りみたいな音がするねって
誰かれとなくいってました。
手のひらに置いて、木の棒で一回叩いて外側をなでるだけなのに
共鳴してゆき、拡張してゆき、変調してゆく。
わたしは音を鳴らせなかったけど。
ボールの中に水をいれておくと、水がはねるらしいのです。
伝わる振動も気持ちいいらしい。


そんなこんなで、テハンノに
ちゃっかり大きな赤い傘を忘れて帰ってしまいました。
来るはずだった台風は熱風だけを残してどこかにいってしまい。
そのせいだか大阪はいまだ暑くて暑くて仕方ありません。
テハンノのビルのエレベーターを降りたとき、
すれ違いで見た女性の横顔に、
なまっちょろい気持ちで十三を好きだとか云ってじゃないわよ、
と云われた気がして、
いまだこの目に焼き付いています。
だから十三にゆくと、
私はまだまだ子供なような気がして安心してしまうのです。





(参考リンク)☆出演順

  • ミナミアヤコ

http://www.myspace.com/minamiayako
現在、6曲フル試聴可能です♪
(Rain/ムネノフリコ/青空と風/こころの花/ヒカリ/風にのせて)



  • タカダスマイル 

http://www.myspace.com/takadasmile
5曲フル試聴できます♪
(ミッドナイトライオン/映画/夕暮れブルー/恋がしたい/各駅停車)



  • 前原淳平 

http://www.j-maehara.com/



  • 本磯卓也

http://www6.ocn.ne.jp/~mototaku/

*1:パンデイロって要するにタンバリンなそうなんだけど、南米のものだったみたいです、このお店にあったのは。あやこさんにのちに教えていただきました☆ (参考)→http://ja.wikipedia.org/wiki/パンデイロ