『いのち』をあたえられたという仕事

miwakiti2006-10-04







BIGISSUE日本版 58号


日曜日の夜、布団に潜り込んでから急にバンプオブチキンが聴きたくなっていた。
ユグドラシル
私には壮大すぎると敬遠していたアルバム。
月曜日の朝、地下鉄の中で心奪われていたのは「ギルド」
屈んだら涙がぼたぼたと滴り落ちてくるほどに胸が締めつけられていた。
先月15日発行分からビッグイシューを買い逃していた。
この月曜日はタイミングがよかったのか、
会社の前にいるいつもの販売員のおじさんを見つけることができた。
駆け寄って見たら、10月1日発行(58号)の表紙は、バンプオブチキンだった。
買い逃していた前号を合わせて買い、元気そうなおじさんの顔に安心した。
人形劇ギルド』についてスペシャルインタビュー4ページ。
インタビューと文は、鹿野淳さん。
藤原君が大半だけど、升君、直井君、増川君のそれぞれの言葉があって
とても良い記事だった。
ビッグイシューらしく「仕事」に焦点を当てたアプローチが
「ギルド」の藤原君の本音に迫っているように思えた。
あらためて、そして今頃、ほんとうに申し訳ないくらい今頃ですが、
藤原君スゴイ。と思った。
今は、私の内臓全てにぐさぐさぐさぐさと藤原君の声が突き刺さってくる。
この「ギルド」いう歌に血が流れる音、心臓の鼓動、かすかな呼吸、
どきどきと早く波打つ脈など「いのち」の声が聴こえてくる。
もういいかげん腰を落ち着けてもいい歳の私だけど
「何のために仕事をしているの?」と聞かれてまだまともに答えられない。
「いのち」が仕事だなんて、なんて恐ろしいことを言うんだろう
この若い人は。
そして、若い人たちに私は引きずり出された。
引きずり出してくれたことを本当にココロノソコから感謝している。
今まで出会うことのできたすべてに。
私はずっとずっと腰を落ち着けるつもりはありません。
あたえられたこの『いのち』の仕事に納得するまでは。
奪われる日も私には決められないから。