卒業写真

miwakiti2006-03-08





荒井由実/卒業写真

コバルト・アワー

コバルト・アワー

私にとって「卒業」ってイメージの歌はやっぱりコレです。
別に卒業式シーズンでなくても、ふと口ずさみたくなるような歌です。
とか言って、口ずさんだのなんて何年振りだろう。


松任谷由実/最後の春休み

OLIVE

OLIVE

でも、中学だった頃の時分はこの歌の方が好きだったな。
好きだったというか、その頃の自分の心象にしっくりきたというか。


会社の向かいのホールで某有名調理士学校の卒業式があるらしく。
通勤の途中、晴れ着姿のお嬢さん達をちらほらと見かけました。
家で朝食を食べる時間がなかったのでしょうか。
ホール地下にあるスーパーの前で、綺麗に髪を結ったお嬢さん達
おにぎり立ち食いされていましたわ。
そんなお嬢さん達も卒業式では泣いたりするのでしょうか。


私は卒園式も小学校・中学校・高校・大学も卒業式などで
一滴の涙も流したことはありません。
幼稚園と小学校の卒業式は、もう全く記憶がありませんが、
中学校の卒業式では大変興醒めした覚えがあります。
でもその記憶さえも、すでに朧げ。
高校の時の卒業式、私の学年は見事に誰ひとり泣いている者が
いなかった。みんなで笑って卒業しました。
そんな学年も珍しく少し誇らしい位だった。
大学の時も笑っている写真しかないよ。憧れの袴姿になれたせいでしょう。
それよりもいつも卒業式の後に待ち受けている未来への不安がつきまとい、
泣いている余裕などなかったのさ。
もし泣いていたとしたらその言い知れぬ不安に押し潰されて
陰でこっそり惨めに泣いていたんでしょうな。
そんなことさえも、すでに朧げ。


薄れゆく記憶の海を漂いながら、あの頃流せなかった涙が
今頃になって溢れ出てくるのです。
人が生きている間に流す涙の量って皆同じなのかもしれないって程に。
昨日は右の目で泣いたから、今日は左の目から涙が滲みでてくるよ。
悲しいからなのか嬉しいからなのかもう理由さえないのよ。
まるで汗をかくように、涙を身体から排出していかなければ、
もう歩いてはゆけない。憧れを抱いて笑っているためには。
だから今は息が詰まってきたら、深呼吸してこの歌を口ずさむのです。


春だね。