たびだちのあさ





あさバスにのるまえにすこし時間があり確認できたのでみにゆくとつばめさんの巣がモヌケノ空やった。嗚呼、滔々、巣立ちしたんやね、昨日のゆうがた巣から出て隣の電気の傘に所狭しと雨宿りしてたの、あれが最後だったか、やっぱり、と思い少しだけ切なくなり、最後に見ておいて良かったと思っていたら、ゆうがた帰りに寄って見ると、やはり巣はもぬけの殻だけど、巣の近くの電線に留まったり、周りを旋回している。まだしばらくは、遠くには行かないみたい。ちょっと嬉しくなり、切なさがおさまった。なにかの拍子でフラッシュバックは起こる。なにがキッカケかはわからない。でも、蒸し返すことほど貴方を苦しめるものはない。蒸し返せないことを蒸し返しそうになったら、何度も大声で教えてあげる。貴方は今日、蒸し返せないから、思い出してしまった嫌なこと(わからないこと)を墓へ持っていくと宣言していた。墓に持っていくあいだに抱えきれなくなってどんどんと道端に落っことしていけばいい。墓にはいるときには、なにもないほうがいい。ひろびろとゆっくり眠るためにはね。