菅野満子の手紙


作者は、人間をめぐる問題についての考え方として、一つのマトマリをもった筋道のあるものとして、最初から自分をつきあげてくるようなものを持ち合わせていない。しかし関心は色々とある。あるいは何かのキッカケで語りたくなるようなことは、ないことはない。あるいは、ある意図で、長続きはしないと思いながらもっともらしく、述べることはなくはない。語りたい、呟きたいものの海のなかに漂っている。そういってしまっていいかどうか分からないが、登場人物たちもそうであろう。さっきもいったようだが、だからこそ彼らは手紙を書きはじめ、そして続けるのであろう。
(『菅野満子の手紙』小島信夫、あとがきから引用)


背中からゾクゾクっと寒気立ち、ふぁ〜っと上半身が熱くなって汗びっちょり。眩暈はするしで午前中はまったく使いもんにならない。夕方あたりから、ちょっと楽になったかな〜と思っても、夜、布団にはいったら、またゾクゾクっと、ふぁ〜っの繰り返しで、夜中にトイレに何回もいく羽目に。
季節の変わり目なのかな。ほかにもそんなこといってるひとがいたので、なんかホッとする。からだの芯を温めるツボを辛抱つよく温めてみる。



二ヶ月くらいかかってしまったけど、『菅野満子の手紙』を読み終えました。終わり三分の一あたりからサスペンスのように読み、最後は不思議な感動を覚えていました。最初に「あとがき」を読むのが好きなので、既に読んでいたのですが、中味を読み終えてからまた読む「あとがき」にまで感動してしまった次第です。
もう思い出したくもないこの夏の暑さと『菅野満子の手紙』を読む苦しさは、喉元すぎれば懐かしくなるもののような気がします。