『わたしを離さないで』



たしかに今年も残すとこわずかなんやけど、なんでか今年はその実感がいつにも増して湧いてけえへん。だんだん寒なってきたけど、まだまだあったかいですし、まだまだこんなもんで2011が終わらんような気ぃするからか。
忘年会の話しが持ち上がる。それだけが年末の近付きを現実的にしてくれてる。
年末になると、なんでか今年のことやら振り返りたくなる。例によって、日記とか写真とかめくろうとしたけど、今年はあんまり日記書いてへんし、逆にツイッターの方を遡ってみたら、すっかり忘れてたけど、今年の抱負みたいなんツイッターしてた。
ツキイチ、ミニシアターで映画を見る。
例によって、抱負は全く実行されてへんかった。
しかしながら、心境の変化が明著にあらわれた10月に、ある映画をひとりで見に行った。その衝動は高校生のとき何度も味おうたそれによう似てた。いまから思うに。その映画を目指し、その映画を映画館で見れるんならなんだってええ。そんな感覚、長いあいだ忘れてた。
けど、その映画館の前にひとりたたずんだときは、さすがに少しひるんだ(まだ朝やったけど)。映画館の地下ではポルノ映画を常時上映してるので、わたしが見たい映画とポルノ映画の、あの懐かしい手描きの、でっかい看板が仲良く?ならんでる。上映時間ギリギリに入ろう。ほな大丈夫やろ。そう自分につぶやいた……????
今年の初め、抱負をツイッターしたときから、映画、なに見ようと、意識しとった。意識すればするほど、何が見たいかわからなくなってきた。そして、地震津波がきて、それからや、なんでか急に映画より芝居が観たくて見たくて、今年の前半は例年より追い求めるように芝居をみにいった。しばらくして今度は、いきなりわたし自身に終末がおとずれた。それによってわたしの芝居ブームも収束、映画の出番がやっと顔出してきたわけやね。
『わたしを離さないで』を見に行ったあと、見たい映画がなかなか見つからなかった理由がはっきりとわかってしまった。もうこれからは大丈夫やと思う。
来月、見に行きたいと思う映画がはっきりと見つかったから。
ありがとう、新世界。イイ町です。わたし、また何かに迷ってしまったら、迷わずアナタのところへゆくわ。


わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

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