ももいもくりの作り方




「光男の栗」「びおん」が昨日から大阪・九条シネ・ヌーヴォで劇場公開されるのが始まったようだ。5月7日からは2階のシネ・ヌーヴォXにて【山崎都世子とチャオ・イエの軌跡】としてふたりの監督たちの過去作品とともに上映が続けられることを知った。これは行きたい!
2010年のわたしが砕け散っていた夏に、なら国際映画祭が産声をあげた。わたしは奈良に住むミーコさんから一作品だけ無料でみせていただけるとゆう有り難い券を貰って、8月のある平日狂暑のならまちへひとり歩いて行った。
もちろん「光男の栗」もその券で見れたのだが、日時の都合がつかなかったので、一プロで3作品見れる学生自主制作作品を選んだ。デジタルビデオカメラで撮ることが多くなったなかにわざわざ8ミリで撮ることにこだわった作品もあり、なかなかに見応えがあった。美しい映像とは裏腹に学生たちの内なる精神破壊を見せ付けられ、酷暑とあいまってますます頭がクラクラになって家に帰った。
年が明けて、三月。奈良国立博物館講堂にて念願の「光男の栗」「びおん」をみる機会をえ母と妹を巻き添えにしていった。
この上映会にはプロデューサの河瀬直美さん、「光男の栗」主演の桃井かおりさんと共演のうだしげきさん、百々節子さん、「びおん」の監督・山崎都世子さんと主演のこいずみとうたさんらが対談をするという映画祭以来の貴重なものだった。一週間まえにあの恐ろしい地震が起こったことがあり、余計にいろんな場面で目が潤んだ。
とても意外だったのが、桃井かおりがまたインディーズに立ち返ろうとしてる姿だった。日本のなかでこのまま進んでいれば、圧しも押されぬ大女優でいられるのに、生温い国をとびだして心のままに泳ぎだしてたのだ。
役者は傷ついてなんぼ。より傷つくほうへ喜んで進んでいってる。
そんなモモイを見ていたら、わたしも形からでもモモイになりたくて、一年ぶりに髪を切ってみたけど、まだまだ覚悟が足りなくって、覚悟よりも色気がもっと足りなくって、またしてもワカメちゃんになってしまったのだった。