8×4

 
 
8月末に定年退職するおじさまの後任として、先週から新しいおじさまが本社に異動してきはったのです。
うちは社内でもちょい変わ部署のひとつで、メンバーが本社と飛行場に分かれて毎日働いてるのです。新しいおじさまは飛行場からきはりました。
新しいおじさまも大変暑がりの汗かきのようです。おじさまというのは、みんなそうやねん。ただ、新しいおじさまだけは違うことがある。汗だくで出社してきはると、まずは机に鞄を置き、入口にあるロッカーに戻らはって、シュッとしはるのです。今までの本社のおじさまにはなかった行為。ロッカーから帰ってきたおじさまがわたしの後ろを通るとき、ほのかに柑橘系の制汗剤が香るのです。わたしだってつけないのに…。
柑橘系のこの類いの香りが、高校の体育の授業、更衣室の情景を呼び起こし、甘酸っぱいものがのどから込み上げてくる。西陽が小窓からいやとゆうほど差し込んできて眩しい。
今年もうちの最寄駅ではブルーのゴミ袋で作った天の川がたくさんの風鈴と一緒に優雅に流れてます。保育園のこどもが情操教育とかゆうて毎年大人にやらされてるんやろうけど、わたしはこの天の川好きですよ。
ただ、大人の自己満足やなくて、こどもが作りたいものを作らせてあげたらええのに。とは思います。
今夜は窓開け放っていたら、どこかのおっちゃんがゲーゲーゆうてんのが聞こえてきた。夏ってええね。