TOMOVSKY×スネオヘアー@下北沢 CLUB Que(060722)



 QUEは、ビル地下にある四角い箱だった

RETURN TO NATURAL CLUB Que 夏ノ陣 2006
TOMOVSKY「BEST」発売記念ライブFINAL3days
2006.7.22(sat) 下北沢 CLUB Que
18:30 open/19:00 start
前売2,500円 当日2,800円 (ドリンク代別500円)
出演:バンドTOMOVSKYスネオヘアー


第1部 スネオヘアー
エコー
てっぺん
長い橋
打ち上げ花火
ニュータウンへ続く道
ハイトイウノウ
こうしてはいられない
(bass 永田範正、drums 小島一浩) 


第2部 TOMOVSKY
うたいまくる40(さよなら30代・短いver.)
天才ワルツ
うしろむきでOK!

両想い

ILS
デンワデスマソウ
ガン告知はいらない
いらない
カンチガイの海
スポンジマン
(band サード・クラス)


第3部 スネフスキー&サード・クラス
ショウドウガイの季節(スネオヘアーからのリクエスト)
終りね(TOMOVSKYからのリクエスト)
現在位置
ワルクナイヨワクナイ



「エコー」のイントロ、チリチリした電子音が頭の上から降ってきた。
白いポロシャツを着たスネオヘアーがコジヲくんと永田さんと静かに
ステージに現われたら、私は星が散らばる夜の空にほおり出されて
気持ちのいい夢の中に引きずりこまれてしまったのです。
コジヲくんがくりくりっとした目でスネオヘアーを見つめながら
ドラムを叩き、どこまでも寡黙な永田さんの弾くベースが
私を懐かしい時間に誘ってる。見た筈のない想像だけだった時間に。
スネオヘアーもギターを弾きながらコジヲくんを良く振り返っていた。
歌う時の眉間のしわは少しだけ柔らかく。
初めて生で聴く「ハイトイウノウ」は、最初何の歌だかわからなかった。
CDには入っていないフレーズがライブの「ハイトイウノウ」では、
最後にリフレインされる。すっかり言葉を忘れてしまったのだけど
カッコよかった。(ちょうどいいや質問してみよう)
スリーピースの素敵すぎる光景を両目でしっかり見ておこうと思った。
8月に「何度も同じ言葉を言う」という新曲を出します、と宣伝して
ラストに「こうしてはいられない」を歌った。


トモフスキーは、暗がりのステージで自分でギターの調整をしていた。
ほどなくしてステージは明るくなり、元気なトモフスキーが登場。
トモフスキーはじっとしていない。いつもゆらゆら揺れてる。
息を切らしても、いつも何か喋ってる。可愛い。
自分の前にどんなステージがあったとしても、その場をすべて
トモフスキー色に塗り替えてしまう、天才!
CDでも充分口ずさんで楽しい歌がライブだともっともっと楽しい。
いっぱい口ずさんじゃった。
「これ、電話ね」と言っていた赤いシースルーのたて笛リコーダー
(これがまたおもちゃみたいで可愛い)の下のところが何度も取れて
「普段ならこうゆうものは直したりしない、そのままにしとく」
「僕に対する愛情が足りないって」
あかーーーん!愛しすぎるっ!
歌いまくる40歳のトモフスキーは、そりゃあ太陽みたいなのだけど
太陽だから抱きしめたら火傷するでしょうけど、
守ってあげなきゃいけないのは、こんな男じゃないだろうかと
歌を聴いていてふと思ってしまった。
私なんかじゃ守りきれないけどね。
サード・クラスというバンドは素晴らしい。
自由なトモフスキーに負けていない。


はじめてのスネフスキー
トモフさんが仲良くしたいっていうのはこうゆうことなんだね。
スネオさんは体育会系気質だから、年上でアーティストとして
大先輩なトモフスキーに緊張&尊敬の気持ちには勝てなかったと
思うおそらく。
陽気で気さくなトモフさんは、そんなことおかまいなしに見えた。
どちらも自分をゆずらないし、ゆずれないし、
音楽という土俵の上で、ありのままをぶつけて戦ってる
みかけは対照的だけど、どこか似ているこのふたり。
見えない会話ができるっていいもんだね。羨ましい。
スネオヘアーが選んだ歌、懐かしい歌だと言っていた。
トモフスキーが「現在位置」のサビをハモる時、
スネオヘアーが刺した月がにっこり笑ってるようだった。
ふたりで歌い終わってからトモフさん「この歌好きだーー!」と
そりゃあ嬉しそうに言ってた。
そして、ライブが終わったらオールナイトの暴れん坊たちがくるから、
絶対戻って来ないように。忘れ物してもあきらめるように。
と言ってた。
祭りの後は、きれいに立ち去るのが潔いのだ。


トモフスキーの歌は、私が見ない振りをしてしまう言葉たちを
あの声とあのメロディーに乗せて、私の愚かさを教えてくれた。
スネオヘアーは愚直なまでにまっすぐに歌い、
同じ言葉を抱えたまま、でも先の方へ目を向けている。
今夜見せてくれたスリーピースは、未来への贈り物。
スネオヘアーがザ・スネオヘアーから飛び出した時、
なにか一大決心があったのでしょうね。
音楽を楽しんでいるだけの私にはメジャーもインディーズも何の変わりはないけれど、
色んな荷物を背負った大人たちの色んな人生を受け入れたいと思った。
これから先、まだ見えない先へとスネオヘアーが連れて行ってくれそうだから。