私のカナシミファイナル

miwakiti2006-07-19






7月15日土曜日、日比谷野外大音楽堂に初めて行きました。
東京メトロ日比谷線霞ヶ関駅で降りてから、
公園口に近い千代田線の出口までが長く長く感じられました。
階段をあがり地上に出ると大きな道路を隔てて、
深い緑に囲まれた公園がすぐに目の前に見えました。
その森の中からそこら中にギターの音が鳴り響いていて、
途端に嬉しくなりました。
もう信号を渡らないでこのままずっとここで聴いていようか、
と思いました。
閑散としたビルの合間や
ものものしい警備員や
走り去る乗用車に
この音たちは、届いていたでしょうか。
重々しく湿った空気のせいでじっとりと汗が肌にはりついていました。
12月のライブ以来、ひさしぶりに聴いた「peaky」は、
やっぱりカッコイイと思いました。
デビュー5周年、ツアーファイナル、初の野音ライブ。
思いが溢れ過ぎ、どこに足場を置けばいいのでしょう。
どうして今「パイロットランプ」で「現在位置」なのでしょう。
CDですり切れるくらい何度も何度も聴いてきた歌たちが、
この重い空気のようにのしかかってきて押し潰されそうでした。
でも、ここは野外なのです。
聴こえてくる音は、イヤホンから流れてくる完全に失敗のない音や、
外界から孤立してそこだけで興奮している閉塞したライブハウスとは
違いました。
セミの声、飛行機のジェット音、カラスの声や、雨や風が、
人間の都合などおかまいなしに飛び入り参加してくるのです。
そして、思いがけずここを通りかかった人達にも
今日の日の音楽が届いていたかもしれません。
音楽は空気なのだね。
あたり前のように吸ったり吐いたりしてるけど、
あたり前のものじゃないのだね。
みんなでそれぞれの思いを持ち寄って、
この日比谷野外大音楽堂にやってきたんだよね。
ライブハウスでもイヤホンでも。
「headphone music」や「きっと」に入っているクラップの音が好きです。
この日「空も忙しい」でもみんなで手拍子しました。
電気で作った音と人間の手の音が混ざりあった時、
なんだかあたたかい、なんだかかっこいいって、思いました。
素人の私が思い付くようなことってこんなことくらいなのです。


この日、あなたとわたしの腕の間をすり抜けていった歌声と涼しい風が
忘れられないタカラモノなのです。