Unknown December* 煙




メリークリスマス。
スレ違う心。
彼の音楽が何だったのかまだ考えている。
そのまま壊さないように手のなかに包み込んで、わたしの寝床に持って帰ってしまいたかった、そうすることができれば、もしかしたら少しばかりでもいい、もう半年いえもうわからないくらいまえから喉の奥に立ち込めはじめた灰色の憂鬱を晴らしてくれるんじゃないかと
思ったの。
帰りの電車が苦痛でたまらない。音楽が死んでしまうような気がして死にたくなる。もうやめたい、もうやめよう。


冬の夜空は、地上の寒さにくらべれば随分楽観的に見える。一瞬だけ道路に寝そべってみた。月と星と夜がキラキラキャキャキャと楽しそうにしていた。