ナツノトビラ

miwakiti2006-07-14





東向きの部屋は朝が暑い。
今朝尋常じゃない寝苦しさで目覚めたら、
なぬー?!蝉の声がするぅー。
耳鳴りでもなく空耳でもなく、
正真証明今年初めてのクマゼミの声だったよ。
日差しも昨日までと何か違った。
夏だよ、コレ!
梅雨明けたの?
朝は大黒摩季ばりの夏気分だったのに、
今はなんだか松田聖子な気分。
フレッシュ♪フレッシュ♪フレェ〜ッシュ!


今夜みてきたお芝居のせいね、きっと。
※注意:このお芝居と大黒さんと聖子さんのあいだになーんの因果関係もございません。
蝉の鳴き声もやけに愛おしく思えたわ。
明日はお外でガンガンに生音が聴けるのね。生がいいよ。生が。
ビールもライブも。
みみっちい欲望なんか吹き飛んじゃうよね。
小さい画面の中から飛び出そうよ。
ナツノトビラを開いてね。


http://www.ishinha.com/SP/
今夜が初日。月曜日まで公演は続きます。
帰ってきてから感想書きたいと思います。



維新派「ナツノトビラ」
  7月14日(金)19時★
  7月15日(土)19時
  7月16日(日)14時/19時
  7月17日(月・祝)14時
梅田芸術劇場メインホール S席/5,000円A席/3,000円(全指定・税込)


劇団関係者の受付にマーブル図鑑のおねえさんがいたので嬉しくて笑いすぎた。
今年もまた1年近く髪を伸ばし続けてしまっている、、、そろそろゆきます。
プレス受付にトリオキしてもらっていた引換券を劇場受付に差出し、
チケットを購入。3階席の真ん中右端。
梅田芸術劇場に入ったのは初めてだった。
高所恐怖症気味の私には3階席は少し恐かった。
夏風邪が長引き、咳がなかなかとれない。
申し訳ないと思いながらも、もう今日しか観る機会はなく、
咳止めドロップを何個も口に押し込め、ハンドタオルを口に押し当て、
もだえながら鑑賞することになってしまった。
ほんとうにひさしぶりに維新派を見る。
出演者は、もう石本さんしか知らない。
先にメキシコとブラジルの海外公演で発表したこの新作は、
驚くほどシンプルな舞台装置だった。
維新派と言えば、野外。
その舞台はいつも大掛かりで何ヶ月もかけてつくられる。
わずか数週間しかお目見えしない超リアルな工場のセットにただ圧倒される。
大阪・南港の夜景に溶け込んで、最初からここにあったかのような。
しかし、敢えて新作は劇場で演ることを前提につくられた。
観客を巻き込んで、岡山県の犬島、奈良県の室生まで
飛び出していった維新派の新しい試みが劇場だとは。


さて、さきほどシンプルな舞台装置だと言ったけど、
見た目はシンプルでもその大きさは今までと変わりなく半端じゃない。
最上階の席から見てもその迫力に圧倒された。
ある夏の夜、女の子がマンションの一室でひとりテレビを見ている。
大都会の摩天楼や、街角の装置はすべて白い。
小道具は巨大なソフトクリームや虫取り網と麦藁帽子。
夏の子供らしい景色が通り過ぎたかと思うと、突如として現る刃物男
墓参りの花。交通事故。
明るく白い世界が、セピア色の影絵の舞台となり、
ずっと目を離すことができなかった。
維新派の彼等は、きれいな動きを好まない。
台詞はほとんどなく、ぎこちない奇妙な動きの集まりと少しの音だけで、
ストーリーは進んでいく。
そう、維新派ってこうだった。
蝉の鳴く声が次第に高まってきて、暗い劇場内に呻き響いた。
もっと鳴いてくれ。この耳がつぶれるくらい。
この心がつぶれてなくなるくらいに。
そうして何度もこの舞台のカーテンコールは繰り返された。




★この舞台がなんとNHKにて放送されます。(060908)
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